FC2ブログ
Dolce
*** hana
子鹿とわたし
暑い日の午後。寺の境内には鹿がいた。


観光客用の餌を買って、私が歩き出すと、どんどん鹿たちは寄って来る。
グイグイ来る。



面白がってあげていたら、
出遅れた身体の小さな鹿が、視界に入った。
ふと顔を見ると、その鹿は片目が潰れていた。







強い雄鹿の角が刺さってしまったのか…。
まだ幼い姿の鹿。

喧嘩などではなく偶然の不運だろう。
不具の鹿。

他の観光客も、一瞬目を背ける。






私は、その子に、人参をあげようと、差し出すが、
角度によっては、餌が見えないのか、
ほかの鹿が横から食べてしまう。



「ね、そんなところにいないで、こっちにおいでよ。」小さな声でつぶやく。幼い頃の自分に話しかける様に。

私の手にある人参。欲しそうにはしているが、他の大きな鹿の角が怖いのか…。
前には出てこない。

痛かったのだろう…。この傷。








その子が横を向く。まるで、私に見せているかのように。
痛々しい潰れた目の傷はまだ完治してはいない。

首を撫でてやる。私は、しばらくこの子の首を撫でた。
少しすると、この子鹿はまたゆっくりと輪の中から離れて行ってしまった。
遠くで、くーんと、小さく鳴いた。それに呼応して他の子鹿も鳴く。
みんないるよ。お友達も一緒だよ。






「大丈夫。そおっとしておいてあげよう。お腹が空けばまた来るさ。
この子はこの子なりに、きっと生きる術を学んでいくさ…。」

私の隣にいた子供連れの優しい若いお父さんが、子供にそう言った。





「この子は、さいわいにして、鏡を見て悲しむことはない。」
私は、そう、思い直してみたりする。この子はきっと、「なんか少し不便になったな」って思うくらいだ。

だって、まだもうひとつ目があるんだもの✨








遠くのベンチに座って私を笑顔で見ているダダの姿を目で探した。
目が合う。
鼻の奥がツンとした。

私は、ふとした瞬間に思い出す。
自分のこの心の中にも、この不具の鹿が住んでいると。

~ 虐待は、犯罪です。





 
ありがとうございます
下のURL、クリックしていただけると、
励みになります
https://flower.blogmura.com/naturalgarden/ranking.html ←ナチュラルガーデン
https://fashion.blogmura.com/mrs/ranking.html ←ミセス系
https://fashion.blogmura.com/kimono_antique/ranking.html ←アンティークきもの
小さなお店をしています。
~クリックしてみてください。
Stores DoclceDaisey
Stores 福
[2019/09/18 09:20] | 思うこと | トラックバック(0) | コメント(0)
<<インドのチップ事情 | ホーム | ほおずきのラウンドブーケ >>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
前のページ 次のページ
プロフィール

Dolce

Author:Dolce
青い鳥を探す為につけている日記です
愉しいこと
好きなもの
愉しみでしている畑や着物
小さな手仕事
ピアノの練習
家族のこと
こつこつ、書いています

お知らせ

 
小さなお店をしています。
~クリックしてみてください。
Stores DoclceDaisey
Stores 福

リンク

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ファッション・ブランド
206位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
44位
アクセスランキングを見る>>

フリーエリア

カテゴリ

FC2拍手ランキング

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

<